2009.1.10 〜伊豆城山クライミング〜
今回は西南カンテでマルチピッチ、最後は暗闇の中の懸垂下降


場所
静岡県伊豆の国市
駐車場・登山口
南壁の最寄の登山口の路肩に駐車、できれば対岸のキャンプ場に駐車が望ましいと思う
登山行程
1900頃埼玉自宅-2330頃大仁駅-0000頃城山登山口でテント泊-0900頃クライミング開始-1330西南カンテ開始-1600頃終了点到着-1800頃取り付きに戻る
参考資料
PUMPのホームページに案内図(一部のみ)あり。
今回のグレードは「日本100岩場」を参考にしました。

なぜこの山?
12/6に 伊豆城山を登ったが、冬は暖かく(12/6は強風で寒かったが・・・)、マルチピッチができるので、冬の間の岩登りはしばらくここに通うこととする。

今回は、西南カンテをマルチピッチをするというのが最大の目的。

登山口までの移動・登山記録
またまた新宿にやってきました。
本日は雨ですが、翌日には晴れるようです。

ただ、岩が濡れているとの登れないので、すぐに乾いてほしいです。
今回も榊原さんと新宿で待ち合わせ。

前回は小田急線の急行に乗って、しばらく立っていきましたが、今回はゴージャスに特急に乗っていきます。

ただ、榊原さんは訳あって途中下車。
三島で待ち合わせることに。
一人で二人分のザックを持つ。
小田急線はいつも遅れるようである。
乗った特急も10分程遅れた。

しかし接続するJR線も遅れ、
結局乗りたかった列車には間に合った。
22時頃に三島駅に到着。

榊原さんを待ちましょう。
伊豆箱根鉄道線の
最終列車に間に合いました。

ここから大仁駅へ向かい、
タクシーで城山登山口へ。



雨は丁度止んだようです。今回も前回同様、登山口にテント(今回は二人用)を張ります。ここで宴会がはじまります。

うりうは「日帰り登山限定なので雪山へ行くのは難しい」と言うと、「ゴールデンウィークに穂高岳のふもとの岳沢へ行くが、そこなら日帰りができるが、来る?」という。詳しく聞くと、登山仲間の「慰霊登山」だそうだ。

やっぱり山は恐ろしいですね・・・。(結構、人が死ぬからね)



朝を迎えました。

前回同様、寒くて眠れず。
(シュラフが夏用なので・・・)
また来ました「南壁」です。

午前中は、技術を中心に教えてもらいます。
今回は前回と違い、ポカポカ陽気。

テントも脇で乾かせます。
榊原さんが、前回と同じ
「ホームボーイ5.8」
にトップロープを掛けます。

まだ、岩が乾ききっていないので、
かなり怖かったそうだ。



登る前に、下でリードのビレイの講習。

クローブヒッチによるセルフビレイ、イタリアンヒッチによるビレイ、グリップビレイ、プルージック、ファンクライム特製バッチマン・・・など、おぼえた「つもり」。(でも、これが後で本気になるとできちゃうんだね)



うりうも「ホームボーイ5.8」
を次にリードをするつもりで登ります。
(写真はうりうが登ったあと)

今回は前回と違って、マルチピッチ(写真のグループはエキスカーションの2ピッチ目)をしている人がいます。
次に「エキスカーション5.10a」
をトップロープで登ります。
最初に榊原さん。

次にうりうが登りましたが、矢印のボルトに足でA0してしまいました(だって、ムーブをさがしていたら、足が疲れたのだもん)。

あとはズルしていません。
登ると・・・

もう、これぐらいの高度感には慣れてきました。
今回も良い天気。
榊原さんが「何も言わないから、懸垂下降をやって」と言う。

さて・・・、どうするのだっけ?(忘れた)
こんなことをやり始めた。(意味不明な行動)

たまりかねた榊原さんが「ロープをリングに通す」としゃべってしまった。
末端は八の字結びにする。

末端が短いと危ないので長めに。
ロープを巻くが、地上でないので難しい。

ぐちゃぐちゃだ。
ロープを投げる準備完了。
最初に三巻きぐらいを投げてから、残りを投げるとからみにくい。

・・・らしい。
エイト環とバックアップのセット。後は懸垂下降するだけ。

こんな危なっかしい奴が、後で、暗闇の中一人でセットして降りるのだからすごい。
上手な人のビレイ。

参考までに。
上でビレイすると、ロープのたぐりよせが難しいので、ロープはゆるみがち。

ゆるいと怖いですね。
ビレイしている人は榊原さんの山岳部の同級生。「スーパークライマー」だそうだ。

登っている青いヘルメットのあんちゃんは、しごかれていました。
懸垂下降も出来ました。

次は、リードをするか、マルチピッチをするか、で当然マルチピッチでしょう。

リードもしたいけど、マルチピッチのあとで。(実際はそんな時間は全くなし)
さて、今回の最大の目的の「西南カンテ」を探します。
どうもここが取り付きのようです。

結構、登ってきました。
これが西南カンテルートです。
(写真は尾根の向こうからパクリました)

最初は、マルチピッチ初心者(クライミング初心者ではないですよ)向けとの触れ込みで、「楽勝」と思っていました。
取り付きからみた西南カンテ。

人がいる所が、「日本の100岩場」では3ピッチ目、今回は1ピッチ目の終了点。
今回は「つるべ方式(リードとフォローがピッチ毎入れ替わる)」で登ります。

最初は榊原さんのリード。5.7, 5.8, 5.5の3ピッチ分を1ピッチで登る。
うりうがフォローで登ります。相変わらず怖がりなので、なるべく下を見ずに登ります。

このルートはボルトも古く、極めてアルパイン的な感じで、リードはグレード以上に怖いでしょう。
2ピッチ目はうりうのリード。
とても短いルート(5.5)。
(写真は終了点から下を見る)

一ヶ所危険地帯を除けば林間を歩く感じ。
結局ヌンチャクは掛けず登る。

あとで考えると、そこでフォールしたら・・・
さやうなら〜。(怖いですね)
うりうが作ったアンカー。

セルフビレーはクローブヒッチ、
ビレーはイタリアンヒッチ。
習ったばかりのものをすぐに使う。
(たいへんよくできました)
2ピッチ終了点から見た景色。

大分、高くなりました。
2ピッチ終了点から、次のルートが分からない。

西をみる。

ボルト類が一向に見当たらない。
上を見る(すごいハング)。

ボルトもないし、こんな壁登れるはずがない。

いろいろ探した結果、
写真矢印の方向へトラバースするのが正解。
(これで時間を消費してしまった)
3ピッチ目(5.9)は榊原さんのリード。

矢印の通り、100m以上の高度感の中トラバースして上に登る。

下を見ませんでした。(だって、すごい高いのだもの)
4ピッチ目(最終ピッチ)はつるべ方式ではうりうがリードだが、日も傾いてきたので榊原さんのリード。

このルートは5.8となっているが、ルートがよく分からず、ご覧のルートで登る。特に、カムがかかっている所は、体を乗り出していくので、とても恐怖である。
4ピッチ開始点(3ピッチ終了点)から見た
「二間バンド大ハング」。

女性がすごい所を登っています。
落ちました。

よくこんなことやれるね。
(自分もですが・・・)
4ピッチ終了点から見たうりうが登っている姿。

こんな所をトラバースしています。
核心部です。



16時頃終了点に到着。夕方なので、急いで戻らなければなりません。

終了点から4ピッチ目開始点(3ピッチ終了点)までは、リング(だったかな?)のアンカーがあったため、難なく降下終了し、ロープも難なく回収した。



この時、もう完全に日没。

ヘッドライトも持っていません。やばいです。
日没のため、4ピッチ目開始点(3ピッチ目終了点)からは「一気に行ってしまおう」と、二本のロープをつなげて、二本の木(一本の木だと、折れる可能性あり)をアンカーとして、最初に榊原さんが2ピッチ目開始点(1ピッチ目終了点)まで降りていった。



しかし、二本の木ではロープは全く動かずロープ回収不能なので、筆者は散々悩んだ挙句、一本の木をアンカーとして、一本のロープで懸垂下降することを決意(もう一つのロープは体にくくりつける)。

もしアンカーの木が折れたら・・・



さやうなら〜。(想像したくもありません)



ロープを投げるが、最初の10mぐらいは比較的平坦なので、ロープが途中で止まってしまった。なので、止まったロープを下に落としながら懸垂下降をするが、今度は筆者がぶら下がった状態でロープがこんがらかってしまい、降りれなくなってしまった。信頼できないアンカーにぶら下がり、だんだん暗くなっていく状態で、ロープがからみ、不安は最高潮。懸垂下降に使っているロープをほどくため、体にくくりつけたロープをとりあえず落とし、「おちつけ、おちつけ」と自分に強く言い聞かせながら、ロープを必死になってほどくと、ほどけた。そこで、榊原さんの一つ上のピッチ(3ピッチ目開始点(2ピッチ目終了点))にたどりついた。

今度はそのロープが回収できるかどうかであった。ロープは懸垂下降に使った一本だけ(もう一本は下に落とした)なので、これが回収できなければ降りられなくなってしまう。ロープを引いてみる・・・進まない。

ここでかなりあせったが、さらに強く引くとロープが進みだし、回収でき、榊原さんのいるピッチ(2ピッチ目開始点(1ピッチ目終了点))に合流した。

榊原さんが先に懸垂下降。次にこのまま下まで下りたかったが、最初の1P目はロングルートなので、もう1ピッチつなぐ必要性があった。この時には完全に月明かりのみが唯一の明かりであって、懸垂下降の準備をしたが、暗闇の中のセットで、バックアップに使うロープスリングが使えない状況になってしまった。他のスリングでバックアップでもよかったが、よく見えない中、下手な作業をするとエイト環まで落とすなど「ありえないミス」の可能性がある。そこで、この懸垂下降は「バックアップなし」と決める(つまり、ロープを手から離すと落下)。慎重に下り、榊原さんと合流した。



最後の懸垂下降はキチンとバックアップもとり、

慎重に懸垂下降して、地上に降りた。



次は、取り付きは藪の中であるので、暗闇の中、下山しなければならない。ここで、筆者の携帯電話の画面で足元を照らしながら、慎重に下山。荷物がデポしていた所へ到着。ここにヘッドライトがあるので、ここからヘッドライトをつけて下山できた。

暗闇の中ではギアの整理がしにくいので、タクシーを呼び、帰りので電車の中でギアの整理。



なので、こんな格好で電車に乗り込む。

飛行機なら、間違いなく連れて行かれる。

この日の成果
ホームボーイ5.8:TRノーテンション
エキスカーション5.10a:TR(1回A0してしまった)
西南カンテ:6ピッチ(5.7FW, 5.8FW, 5.5FW, 5.5LD, 5.9FW, 5.8FW) の最初の3ピッチを1ピッチで行く
※TR:トップロープ、FW:フォロー、LD:リード

今回登山で学んだこと
・怖かったよ〜(二回目)。
・学ぶことが多すぎてここでは書ききれません。

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