2008.11.2 〜常念岳(2857m)〜
今回は初の雪中トレイルラン、トレラン靴でラッセルとはやられた
ルートマップ
標高差:1577m
累積標高差:1620m
平面距離(全行程):10.3km
駐車場・登山口:長野県安曇野市本沢の駐車場
コースタイム:駐車場-(0:20)-三股-(5:30)-前常念岳-(1:00)-常念岳-(1:00)-前常念岳-(4:00)-三股-(0:20)-駐車場
コースタイム(合計):12:10(往き6:50、帰り5:20)
登山時間:駐車場-山頂-駐車場。5:06(往き2:42、山頂0:15、帰り2:09)、単独行
登山行程
0557駐車場-0605三股-0756前常念岳-0839/0854常念岳-0926前常念岳-1059三股-1103駐車場
なぜこの山?
今回はわけあって松本市へ来た。今回は家族も連れて来た。
松本市と言えば・・・当然「山」。11/1は
鉢伏山に登り、11/2は個人的なメインイベントの常念岳登山である。しかし単に常念岳登山と言えども、季節は完全に初冬であるので綿密な計画が必要となる。
今回は家族を松本市に待たせて登山へ行くので、悠長な登山はできない(実際に「午前中には下山をする」と伝えた)。しかし雪山ではものすごいスピードで登ることはできない。とりあえず10/31に常念小屋に電話をかけたところ「現在は積雪なし、小屋も11/3まで営業」と言われた。この時点で11/2は原則的に常念岳登山は決定。しかし、11/1に
鉢伏山に登った時は常念岳は完全に雲の中であり、冠雪が予想された。11/2の当日の天気予報は快晴。
さて、装備をどのようにしようか。雪山を恐れるあまりに重たい荷物を持っていくと、高速登山に支障が出る。しかし雪山に軽装で臨むのは自殺行為である。積雪は山頂付近と考えられるので、歩くルート上の二時間程度と予想される。
ここで考えたのは、必殺の「凍傷になる前に下る」という発想である。凍傷は長時間の寒冷の暴露によってなるので、短期間の寒冷の暴露ではならないと考えられる。今回は冬用のランニングウェアー、トレラン靴、20Lトレランザックという普通のトレイルランの格好で登ることに決定。つまり、登山靴やスパッツは着用しない。
ただし、長時間雪を歩くことを予想される場合(例えば、ガスの中に入る、道がわからなくなる)は、すぐに撤退することとする。最悪、常念小屋にも逃げ込めることも考慮する。このような、綿密なのか、無謀なのか、わからない計画で登山をすることとする。
話をまとめると・・・
山頂付近は冠雪が予想されるが、その一部のためだけに速度に支障が出る重たい荷物は持ちたくないので、普通のトレイルランの格好で常念岳へ登る
ということである。
登山口までの移動・登山記録
朝5時頃、松本市を出発する。
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朝6時前に三股手前の駐車場に到着、用意をする。
(写真は帰りに撮影)
写真のトイレは紙があり、きれいです。
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駐車場からは、薄明かりの中に蝶ヶ岳(2677m)?がうっすらと見える。
常念岳はそれより200m程度高い。
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5:57(出発からの時間:0:00)、このゲートを通り、登山開始。
最初は林道を歩く。
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林道では、うりうより3分程前に出発した二人組を抜く。
帰りにすれ違う。
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6:05(0:08)、林道終点の「三股」に到着。コースタイムは0:20。
ここにはトイレや登山届ポストがある。
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上の写真の奥はこんな感じ。
(写真は帰りに撮影)
ここから登山道開始。
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すぐに、蝶ヶ岳方面と分岐する。
右の常念岳方面へ。
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早速、急な林間の登山道の開始。
もくもくと登る。
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6:15(0:18)、ご覧の看板が現れる。
地図には迂回路の存在はない。
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6:24(0:27)、太陽が見えてきた。
まだ、景色が開ける気配はない。
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なにも見所のない登山道をもくもくと登る。
途中で「カッターシャツ男」を抜く。
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6:41(0:44)、ご覧の看板が現れる。
あと常念岳まで5.2時間らしい。
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6:55(0:58)、徐々に雪が積もり始める。
これぐらいであれば、なんだ問題はなし。
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7:04(1:07)、ご覧の看板?、ここから尾根に出たようである。
多分ここが、コースタイム3:50の場所だと思う。
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看板からは、雪が積もっているが、比較的緩やかになる。
速度が上がる。
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7:11(1:14)、前常念岳と常念岳が林間から見えた。
まだ結構あるね。
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7:27(1:30)、いよいよ林間から抜け、高山帯に入ってきた。
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南西方面には蝶ヶ岳方面が見える。
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さあ、前常念岳へ向けて、ガツンと岩稜を登っちゃいましょう。
岩稜登りは全身を使うので、さらに疲れが増す。
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まだあるぞ〜。
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慎重にコースを選びます。
左を見ると・・・
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穂高連峰が見え始めました。
もう完全に雪山です。
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ヘロヘロだ〜。
もう少し。
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7:54(1:57)、前常念岳直下の避難小屋に到着。
ここにはテントが一張りあり、二人がそろそろ出発の準備をしていた。
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雪をかきわけ、小屋の裏手に登る。ここまでの積雪は「想定外」。
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7:56(1:59)、前常念岳に到着。コースタイムは5:50。
ここまでは順調に登ってこれたが、ここからは雪が深いので、大幅なスピードダウンが予想される。
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とりあえず、ご覧の「ピーク」に向かう。
そこのピークへ行くのにも、雪に嵌ったりして、なかなか進まない。
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8:04(2:07)、「ピーク」に着くとご覧の風景。
いよいよ常念岳を見ながらの登山だが、このわずかな距離をトレラン靴で行けるのか不安がよぎる。
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前常念岳からは本日最初の登山者なので、
完全な「バリエーションルート」。
深いところでは、ラッセルをしながら進む。
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南西方面の穂高連峰がきれいである。
本当のアルプスを見ているようである。
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8:07(2:10)、常念小屋への分岐の看板。
山と高原地図では「通行禁止」と書いてあるが、
行けるのだろうか?
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いったいどこを歩けばいいの?
適当に道を選んで進む。
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おっ、うさぎの足跡。
この跡をつけていこう。
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うさぎに比べ、人間は重い。
場所によっては、かなりはまりこむ。
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常念岳がだいぶ近づいてきた。
ここまで来たら山頂へ行くが、
濡れた足先が冷えて、やばくなりつつある。
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向こうには槍ヶ岳が見えてきた。
しかし、その向こうには雲が押し寄せている。
(天候は大丈夫?)
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8:33(2:36)、常念山脈の稜線に出た。
しかし、ものすごい風で雪が顔に当たり、
目も開けられない。
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突風の吹く完全な雪山に
トレイルランをする「バカ」はただ一人である。
崩れ落ちる雪の上をはい上がる。
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あと少しのようだ。
当然、他の人は「雪山装備」。
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8:39(2:42)、やった〜、2時間42分で常念岳山頂に到着。
コースタイムは6:50。
前常念岳からは本当にきつかった。
前常念岳からの1時間のコースを42分もかかってしまった。
(でも、こういう大変な方が好きである)
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写真を撮ってもらう。
見ての通り、だたのランニングウェアー(下はアンダーシャツだけ)に、トレラン靴(スパッツなし)の格好。吹雪になったら確実に遭難します。
もう完全に膝下は「ずぶ濡れ」。写真を撮ったらすぐに下りないと、凍傷になりそうです。
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北方面から逆時計周りで景色を見る。
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北方面。
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北西方面。
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西方面。
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南西方面。
雲が押し寄せている。
もし、この雲がこちらにかかったら「遭難の危機」だ。
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南南西方面。
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南方面。
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南南東方面。
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南東方面。
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東南東方面。
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東方面。
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北東方面。
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東北東方面。
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8:54(2:57)、15分山頂に滞在し、下山を開始する。
雲が近づいているので、急ごう。
(まだ死にたくないので)
積もった雪の上をすべるように下りる。
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ご覧の標識を右方面へ。
まっすぐ行くと、常念小屋。
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往きは知らなかったけど、崖の上を歩いていたのね。
見るとこわい。
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足がキーンと冷えてきた。
靴下もずぶ濡れ。早く下山しなければ。
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向こうに見えている前常念岳を越えれば大丈夫(と思う)。
急いで、下山しよう。
登りと違い、下りの雪道のがはるかに楽。
往きに抜いた、カッターシャツ男とこの稜線ですれちがう。しかし、この時は上着を着ていた。(つまり「カッターシャツ男」ではなくなった)
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あと少しで前常念岳。
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9:26(3:29)、前常念岳に到着。
ここまでこれば、ガスに覆われても大丈夫。
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前常念岳からは岩稜を下りる。
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ご覧のルートを下りていきます。
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岩稜を下りたら、普通の登山道。
ここらへんで結構登山者とすれ違う。時間的に日帰りぎりぎりのペースな感じであるが、小屋泊まりがほとんどか?
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10:13(4:16)、往きは、下の看板はわからなかった。
誰かが雪から掘り出したのか?
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標高が下がると、雪は完全になくなる。
てけてけ下りると、今度は暑い。
夏と冬を両方体験しているようだ。
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往きの林道で抜いた二人組とすれ違う。
詳しくは聞いていないが、小屋泊まりのようである。
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いつものように、長い下山はいやになる。
ただの登山道の途中であるが、少々休憩。
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10:51(4:54)、ご覧の看板を通過。
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10:58(5:01)、やっと、蝶ヶ岳との分岐に来る。
すぐに林道終点である。
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10:59(5:02)、林道終点。
ここからは、走る。
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11:03(5:06)、駐車場に到着。
すぐに松本市へ家族をピックアップするために行く。
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梓川SAからみた常念岳。
結局、常念岳の天気は一日大丈夫だったようだね。
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今回登山で学んだこと
・雪ではトレイルランにはならないね。
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