2008.8.2 〜農鳥岳(3025.9m)・西農鳥岳(3050m)〜
(その1:出発〜彷徨〜稜線に到着)

白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)日帰り制覇をたくらむが、結局登れたのは農鳥岳+西農鳥岳だけ、
敗因は「道に迷う」と「高山病」

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ルートマップ

標高差:2220m
累積標高差:2526m+彷徨
移動距離:23.6km+彷徨
登山口:山梨県早川町奈良田
駐車場:奈良田駐車場(無料)

コースタイム(奈良田-西農鳥岳):9:50
コースタイム(西農鳥岳-奈良田):7:10

登山時間:駐車場-彷徨-山頂-駐車場。13:59、単独行

登山行程
0118奈良田-0759農鳥岳-1517奈良田


なぜこの山?
白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)日帰り制覇は以前から実行に移そうとしていた計画である。

本当は、広河原→北岳→間ノ岳→農鳥岳→奈良田(コースタイム17:00)と移動するのが一番楽?な方法である。しかし、広河原へは現在はバスでしか入ることができない。始発のバスに乗っても6:10にしか広河原に着くことができない。これでは15:30の奈良田発の最終バスに乗るまで、登山に使える時間は9:20しかない。このルートでは日帰りはとても危険性は高い。

そこで、奈良田を深夜に出発し、逆周りで広河原へ到着(コースタイム18:15)し、最終の奈良田行き16:40のバスに乗ることが出来れば、見事日帰り成功となる。

しかし、実行した現実は、途中で「道に迷い」体力を消耗し、夏バテと寝不足のおかげで標高3000mそこらで「高山病」を発症し、西農鳥岳までで撤退するという、苦い山行となった。


登山口までの移動・登山記録
前日の22:06に埼玉自宅を出発をする。入間IC-河口湖ICまで高速道路を乗り、本栖湖の横を通り、山梨県早川町奈良田の駐車場に1:00頃到着する。ここで早速、仮眠もせずに出発準備をする。

ここは奈良田の駐車場(無料)。

現在は広河原付近はマイカー規制なので、ここから広河原行きのバスが出発している。

写真は帰りに撮影
今回は好日山荘で買った「トレイルラン用勝負靴」で臨む。

いままでの、さえない登山靴に代わり、機動力重視の戦略に出た。



1:18(0:00)、奈良田(標高830m)を出発する。



トレラン靴をはいたからって、走るわけではない。

てくてく歩いて、奈良田橋を通過する。
1:35(0:17)、開運トンネルに着く。コースタイムは0:25。

ここのゲートの状況を確認する。

写真は帰りに撮影
う〜ん、かなり厳重な様子だ。

見たところ乗り越えることは不可能である。
鍵はご覧の感じ。

歩行者が向こうから歩いてきた時はどうするの?
歩行者専用の出入り口があった。

しかも鍵ではなく、針金でとめてあるだけなので、歩行者は通過可能である。



これで最悪、広河原で16:40のバスに乗り遅れても、歩いて奈良田まで帰ることができることが判明した。



農鳥岳方面へ歩く。

すぐにゲートが出現。車は通ることができない。
しばらく車道を歩く。
1:55(0:37)、休憩小屋が現れる。

コースタイムは0:55。
すると、工事現場みたいなところが現れて、右へ迂回させられる。
2:02(0:44)、一つ目の新しい吊橋を渡る。
2:08(0:50)、しばらく歩くと、二つ目の吊橋を渡る。

暗いので高度感がわからないので、さほど怖くはない。
2:12(0:54)、発電用の取水口が現れる。
2:13(0:55)、すぐに三つ目の吊橋を渡る。

吊橋を渡った後は、揺れた感じがしばらく残る。
沢を渡る時はご覧の危険な橋を渡る。

ここの登山道の橋は全部このような、怪しい橋であった。
登山道はあまりはっきりしないので、間違えてしまいそうだ。

現在は、なんとか進むことが出来ている。
2:27(1:09)、地図には「大きな岩」とあるが、左の岩がそうなのかな?
2:48(1:30)、むむ〜、この沢を渡るのに明らかに技術が必要であるぞ。

何かがおかしい感じだが、とりあえずおっかなびっくり渡る。
2:57(1:39)、明らかに迷ってしまった。

沢を下りたり登ったり、斜面を下りたり登ったりしたが、登山道は一行に見当たらない。

さらに、ヘッドライトの光に寄ってきた虫が左耳の穴に入り、抜け出せず、音を立てている。やがてその虫も動かなくなる。そこでやっと取り出せた。
3:16(1:58)、地図に「滑りやすい急坂」と書いてある。

これが「滑りやすい急坂」かもしれないと思い、絶対違うと思われる急坂を登る。

ここは岩がもろく、岩をくずしながら登っていった。真っ暗闇の中、グレードII〜IIIの岩登りをする。
(あとで考えてみると、こんな危険な一般登山道はあるはずはない)
3:21(2:03)、さらに急になった。ロープが必要なぐらいだ。

これは絶対違うと、引き返す。
そうそう、この白いペンキのようなものにだまされたのだ。

これがてっきり目印かとおもったが、よくみてみると「カビ」であった。



泣きそうだ。とりあえず「人工物」はないかとうろうろする。

「ドラム缶」を見つけた時は大喜びをしたが、結局は登山道には復帰できず。
(ドラム缶を見つけて喜ぶ人間はほとんどいないであろう、緊急事態とはこういうものなんです)



4:12(2:54)、万策尽きて、へたりこむ。

なんでこんなことをやってしまったのだよ〜。帰りたいよ〜。
(最近は泣きが入ることが多い)



アクエリアスを一口飲み、もう一度登山道を探してみる。

すると、4:20(3:02)、登山道と思われる道を発見できた。
(意外に近くにあった)



4:21(3:03)、ご覧の橋が現れる。間違いない、復帰できた。

ただ、ここで約2時間迷ってしまって、体力もかなり消耗してしまった。

しかし「まだ行ける、信じれば必ずゴールできる」と自分に言い聞かせ、再び登山を開始する。
4:51(3:33)、夜が明けた。遠くには農鳥岳に通じる稜線が見える。

ここまで、かなりの登りが続いた。まだ稜線までにはコースタイムにして5:00はある。
沢の横へやってきた。

しばらくは沢の横を歩き続けることとなる。
沢の横の道は岩場が多い。

登りも下りも歩きにくい。
がけ崩れがあるので、一回左岸(右)に渡り、また右岸にもどる。

見にくいが、写真に橋が写っている。
5:13(3:55)、大門沢小屋に到着。コースタイムは4:10。

途中の約二時間のタイムロスはおおいに悔やまれる。
(あと体力・気力の消耗も)
大門沢小屋(標高約1700m)からは急登となる。

ここから稜線まで約1200mを一気に上がる。
5:22(4:04)、稜線はあそこ。

まだ1000m以上は登ります。
ここら辺では電話が通じるようです。

確認はしていませんが。
5:52(4:34)、沢とはここでお別れです。コースタイムは5:40。

ここからは林間の急登です。
標識が出現。ここは2200mです。稜線まで700m。

安心を与えているのか、絶望を与えているのか、よくわからない。
登る。(これはかなりましな道の写真)

むちゃくちゃきつい。
6:10(4:52)、え〜、まだ2370mなの〜。

ひどい仕打ちだ。
ますます角度が急になる。

2400m、2500m・・・が出てくるが、稜線の2900mは程遠い。
少し樹林帯を抜けた所へでた。

富士山が遠くに見えている。
6:46(5:28)、気分的に開放感があるところに来た。

ここからは稜線がまだ見えない。
登り続けると、稜線と思われるところが現れた。

あともう少しだ。
7:05(5:47)、ついに標高約2900mの稜線に出た!

コースタイムは8:10。

黄色の建物には鐘がある。

二時間のタイムロスを除けば、コースタイムの半分以下の爆走をしてしまったので、この時点でボロボロとなってしまった。
写真の男性の横にすわり、休憩をする。男性は広河原から二泊して奈良田へ下る予定。うりうの3倍の余裕のスケジュールだ。

ふと気付く。気分が悪い・・・。吐きそうだ。
(あとで「高山病」とわかる)

一睡もしないで、六時間近くも走りまわっていたら、
それはおかしくなる。(夏バテもあった)



立ち上がっても、まともに歩けない。
それでも、計画を完遂させる情熱はまだ消えていない。
(自分は「ヘタレ」でないと、いい聞かせる)

このあと、稜線を歩くこととなる。続きはその2へ。

その2へ続く

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