2009.10.4 〜瑞牆山大ヤスリ岩ハイピークルート〜
瑞牆山大ヤスリ岩ハイピークルートに登る、
大ヤスリ岩に行って山頂に行かないので日本百名山制覇ならず

歩行ルート図
場所
山梨県北杜市須玉町

駐車場・登山口
植樹祭広場手前200mほどにある駐車スペース

参考資料
Heaven Site「瑞牆山大ヤスリ岩ハイピークルート」及び日本100岩場を参考にしました。(ju9cho様の詳細な記事に深く感謝を申し上げます)

岩登りを除く歩行について
累積標高差:830m
平面距離(全行程):6.7km

登山行程
0551駐車スペース-0600登山標識-0731/0800頃取り付き-0830頃1ピッチ目終了点-0920頃2ピッチ目終了点-1015頃3ピッチ目終了点-1200頃/1330頃大ヤスリ岩頂上-1400頃2回目の懸垂下降終了-1521富士見小屋-1544/1554瑞牆山荘-1616駐車スペース



なぜこの山?
今回は長いです。

登山を始めたころ「瑞牆山」といえば、歩く登山で登って日本百名山制覇の一環で登るものと思っていた。ところが、クライミングをやり始めたところ、瑞牆山といえば岩登りの対象という印象が強くなってきた。そこで、ひねくれ者のうりうは、初めて瑞牆山を登る時は普通の山頂ではなく、横に見える「大ヤスリ岩」に登ることを目標とした。

大ヤスリ岩に登るためには何が必要か?。いろいろ調べてみると・・・
1、5.9レベルをA0で登る能力
2、ルートが複雑なのでロープの流れを読む能力
3、ハンギングビレイができる能力
4、40mをA1で登る能力
5、確実な懸垂下降
6、パートナー
が必要であるようだ。

1、一番のネックはクライミング能力であるが、A0でカバーできるようなので大丈夫。
2・3・4・5に関しては2009.7.11の三ツ峠まででマスターしたのでこれも問題はない。

ただ、6のパートナーが見つからないので、自前で「調達」する必要がでてきたが、すごい逸材が身近にいるではないですか。それは学生のMr.M。クライミング二回目が二子山中央稜、三回目は滝谷ドーム中央稜という、すばらしいセンスの持ち主で 2009.9.6三ツ峠へクライミングへ行き、その時初めて彼にアブミをさせてみたが、すぐにマスター。

これで、大ヤスリ岩決行の条件はすべて出揃い、あとは決行するのみとなった。そこで、10/4にMr.Mと行くこととなったが、ちなみに前日(10/3)は息子の運動会。もし雨天であれば10/4に延期されるが、10/3は雨で10/4が晴れの予報なので、10/4の予定が延期される公算が高くなった。10/3、起きてみると予想外の晴れ。そこで、運動会が決行となったが、開始1時間程で土砂降りの雨となり途中で中止となった。そこで、10/4に延期されるのかな?と思っていたところ、平日の後日に行うことらしいので、10/4は大ヤスリ岩アタックの日となった。

でも、いろいろ勇ましいこと書いていますが、いざやるとなると、自分で企画しておきながら「ええ?、本当にやらなければならないの?」とかなりブルーでした(完全に「自爆」です)。

これは瑞牆山をふもとから撮った写真。

大ヤスリ岩は山頂右の岩です。

※うりうが写っている写真はすべてMr.M撮影です。



登山口までの移動・登山記録
車を入間IC→須玉ICと走らせ、5時30分頃に植樹祭広場に到着しました。

ここではトイレタイム。
(緊張に弱いもので、トイレが近い)
植樹祭広場から瑞牆山方面を見る。

こんな垂直の岩場を登るなんて、絶対におかしいと思う。
(マジで)
植樹祭広場から200mほど逆走し、ご覧の駐車スペースに停める。

ここから右の森の中に入る。
植林された木の中を歩くと、ご覧の標識を発見。

「この先の登山道は荒れていて迷いやすいため通行はおすすめ出来ません。一般の登山道をご利用下さい。」と書いてある。

手元の資料を見てみると、ここを進めば良いようなので、ここを入る。



標識からは、登山道というよりは踏み後であるが、時々ケルンがあったり、実際に標識もあるので、夜でなければ迷うことはないであろう。



途中で、カンマンボロン?見えてきた。なんかバーミヤンの遺跡みたいですね。

カンマンボロンとは、大日如来という意味らしい。
カンマンボロン・大面岩付近ではロープなどがあって、軽いバリエーションルートな感じ。

帰りはあまり利用したくない感じ。
大ヤスリ岩が見えてきちゃった。

あれ、本当に登るの?

本当にあんな所へ行こうと思うなんて、本当にバカだよね。
(普通に危ないじゃん)
上記写真とほぼ同じ場所から見る、
小面岩(左)と小ヤスリ岩(右)。
大ヤスリ岩付近に来たけど、どこが取り付きかな?
チョックストーンを越えると、ご覧の場所に着く。

調べてみると、取り付きで間違いはない。

1時間半ぐらいで到着。
さて、準備をします。
(あとルート研究)

現在はガスって寒く、手がかじかんで登れるかどうか心配だった。(やっぱ止めようか?)
でも、ここまで来て止めるのもバカなのでやはり登る。

8時頃、1ピッチ目(20m、100岩:5.9、Heven Site:IV級/A0)を登り始める。

ご覧のコーナークラックを登る。右フットジャムを効かせてズリズリ上がる。
小テラスで休憩。
小テラスからは右のクラックへトラバースするが、この時にA0。
トラバース後は、原則チムニー登り。

ズリズリしながら終了点へ。
1ピッチ目終了点に到着。

ここは二人しか立てない程の狭いレッジ。
Mr.Mもズリズリ登る。
さて、2ピッチ目(20m、100岩:5.9、Heven Site:III級/A0)
のんびり登りましょう。

右上のチムニーに入るまでが核心です。
やっぱりA0を使って核心は越え、チムニーに入ったところで、1ピッチ目終了点を撮影。
チムニーに入っていきます。
チムニー(というかトンネル)に入ると、ご覧の感じ。

プロテクションは奥に一ヶ所だけで、そこでピッチを切ってもいいです。
チムニーを抜けるとそこは・・・

中庭(パティオ)であった。

矢印のビレイ点でピッチを切る。
ここからは大ヤスリ岩を見上げることができる。

3ピッチ目は右の広いチムニーを登る。
フォローのMr.Mを迎える。

ちょっとだけ和む感じの場所。
隙間から小ヤスリ岩かな?
3ピッチ目(約35m、Heven Site:IV級/A1、うりう実感:V級)開始。

ランペ(斜傾路)を登るがランナウトしてちょっと怖い。
ここから、レイバックで登る。
パティオを見下ろす。
ここからはご覧のIII級程度の階段を登る。
・・・で、いろいろ苦労して大テラス(3ピッチ目終了点)に到着。

どのような苦労をしたかは、後ほど。

写真はナイフピーク。
ここからは瑞牆山山頂が見える。
Mr.Mが登ってきました。
さて、ここから約5mが核心。

ここはアブミを使っても、手足ツッパリ(つまりフリー)で登ることもできるが・・・

どんな苦労をしたかといいますと、うりうはフリーで登りましたが、手足ツッパリで激コワ、結局はA0使用で抜けた。
しばらく大テラスでゆっくりした後、最終の4ピッチ目(40m、A1)を登りましょう。

でも、なんか疲れちゃったのね。

ここから懸垂下降で帰ることができるので、なんか撤退したかった。
でもやっぱり登る。

ボルトの数は20〜25ぐらいだった(不正確)。

持っているヌンチャクが二人で15個、うりうが13個持って登る。



・・・で、登り初めてボルト7個目ぐらいで、アブミを落とす。(掛けたつもりが掛かっていなかった)

幸いにも真下のチョックストーンで引っかかり、スタートから登りなおしで済んだ。



これは瑞牆山山頂より撮影していただいた大ヤスリ岩。

(写真:みやび様)
ランニングは一つ飛ばしで、ぐいぐい高度を上げる。

途中一ヶ所で、リングの代わりに3mmロープ3本の場所があったので怖かった。
2/3ぐらいのところで下を撮影。

大テラスはこんな感じ。
もうすぐ到着。最後はIV級程度のフリーを数m登る。

一つ飛ばし(だったと思う)でもヌンチャクは13個全部使い切った。
12時頃、4ピッチ4時間とべらぼうな時間を費やし、大ヤスリ岩頂上に到着。

でも、うれしいですね。

写真は北東方面の瑞牆山山頂。
瑞牆山山頂にはたくさんの人。

手を振ったら、手を振ってくれました。
東方面を見る。

奇妙な岩がたくさん。
南東方面の金峰山。
南西方面の南アルプスは雲でよく見えず。
北西方面の八ヶ岳もよく見えず。
下に目を移す。
北方面には何かのピーク。
フォローのMr.Mを迎える。
記念撮影。

ちょっと近いがセルフビレイの関係でこんな感じでしか撮れなかった。
(ここは狭い岩の上で、落ちたら死にます)
さて、懸垂下降で大テラスまで下ります。

うりうが最初。

ここで背中を押されたら・・・
(セルフビレイとってあるので大丈夫)
するする下りる。



・・・が、懸垂下降中に、なぜかアッセンダーを落とす。
(落としてばっか)



Mr.Mも下りる。
懸垂下降二回目(約10m)

うりうが最初。
下りていきます。
下に到着。

やっと地面に足が着きました。
(ああ帰ってこれた〜、と本当にうれしい)
Mr.Mも下りる。

「浣腸」に気をつけて。



すぐに一般登山道に合流するが、瑞牆山山頂は・・・

めんどくさくなったのでパス。(後日、家族とでも)



帰りは、往きの登山道?は歩きたくない。

大回りですが、一般登山道で瑞牆山荘方面へ。
途中で大ヤスリ岩を見上げる。



途中で子供連れの家族を抜く。

子供が「大ヤスリ岩の上に人がいる」と言い、その親は最初は信じなかったが実際にいたのでびっくりした、もしかしてあなたたちですか?、と聞かれた。

他にパーティーがいなかったので、多分我々でしょう。



岩につっかえ棒がありますが、どういう意味?
1時間20分ぐらいで、富士見小屋を通過。

クライミングの後は、結構足はガクガク。
1時間45分ぐらいで瑞牆山荘に到着。

ちょっと休憩。
道路を歩く。

途中でヒッチハイクしようと思い、親指を立てたが、通過された。
途中で瑞牆山が一望。
駐車スペースに到着。



帰りの中央道は渋滞20kmでした。




この日の成果
ハイピークルート
1ピッチ目(20m、100岩:5.9、Heven Site:IV級/A0):リードAO
2ピッチ目(20m、100岩:5.9、Heven Site:III級/A0):リードAO
3ピッチ目(約35m、Heven Site:IV級/A1、うりう実感:V級):リードAO
4ピッチ目(40m、A1):リードA1(アブミを落とす)

今回登山で学んだこと
・もう少し早く登ろう。

ツッコミコメントなど大歓迎です。こちらまで

左にメニューが表示されない場合は こちらをクリック
inserted by FC2 system