2009.4.4 〜二子山中央稜〜
マルチピッチクライミング、3ピッチ目の核心のコーナークラックはリードで登るが、
結局AO・A1で突破

両神山中腹の猫岩よりより撮影した二子山(2007.11.4撮影)
場所
埼玉県秩父郡小鹿野町
駐車場・登山口
登山口近くの林道の路肩か駐車スペース
登山行程
0900頃駐車スペース-(迷う)-1030頃/1430頃クライミング-1520頃駐車スペース
参考資料
PUMPのホームページに案内図あり。

なぜこの山?
榊原さんとほぼ毎週木曜日に川崎中野島のPUMP2へ行っているが、その時に二子山中央稜へ誘われる。以前より行きたかった所なので即答で「OK」。

岩登りはマルチピッチまたはアルパインクライミングへ行きたくてしょうがなかったが、1/10の 伊豆城山西南カンテは不完全燃焼(というよりはトラウマ)であったので、今回はその「リベンジ」のため、登る気マンマンであった。

ところが出発直前になって、ブログとか見ていると怖いことが書いてあるので、ビビリ症がでてしまった。

左の写真は2007.11.4に両神山へ行った時の写真であるが、手前に飛び出したところが「中央稜」でここをマルチピッチで登る。

登山口までの移動・登山記録
10:30頃榊原さんを所沢で乗せて、国道299号線をひたすら北西に向かい、秩父市を越え、小鹿野町の「坂本」という集落を越えたところで林道に入り、1:00頃二子山登山口に到着。

テントを張り、早速「宴会」。3:00頃就寝。

・・・したが、寒くて眠れず。(シュラフが夏用なので←いい加減買えよ)

朝7時頃起きはじめました。

朝食をゆっくり食べて用意をします。
登山口からは二子山東岳が見えます。

今回登る「中央稜」は西岳の南東側にあります。
伊豆城山西南カンテに登った時はコールが通じず、危ない思いをした。

なので、今回はトランシーバーでやりとりすることとなった。



しかし・・・

今回は原因がはっきりしなかったが、通じたり通じなかったりで使いものにならなかった・・・
(でもコールが通じたので問題がなかった)



車がどんどん増えていきます。

赤いドラム缶がある登山口前にも車が止まっています。
9時頃に中央稜取り付きに向かいます。

場所は「西岳のどこか」しか分かりません。
東岳を見ながら歩く。
すぐに東岳と西岳の間の「股峠」に着きました。
「ゴミと命は持ちかえり」

まったくそうですね〜。
(落ちないようにしなければ)
案内図があります。

絵の左端が中央稜かな?
(実際は違った)

ちなみに、帰りは赤線の「上級者コース」で下りてきました。
右手に西岳が見えているのでこっちかな?
上級者コースと同じ道を登りましょう。
もくもくと登る。
すると、ピカピカのハンガーボルトがうってあるエリアに着いた。

ここら辺を歩きまわり、案内を確認すると・・・

どうも「西岳北面エリア」という結論に達した。
また、同じ道を戻る。
先ほどの股峠を右へ。
すると、西岳を南に回りこむ感じとなる。
踏み後もしっかりしているし、間違いないでしょう。
すると、クライミングエリアに到着。

聞いてみると「祠エリア」で、中央稜取り付きはその奥。
これが「祠エリア」の祠。
奥へ進むとローソク岩が見えてきた。

中央稜はローソク岩を見ながらのクライミングとなります。
ごちゃごちゃ取り付きを探していると・・・

いかにも「中央稜」を登っているクライマーを発見。

聞いてみると、間違いなく中央稜であるそうだ。
取り付きは「赤いドラム缶」が目印。
取り付きから見上げる。

ハンガーボルトから右へ登ります。
準備をします。

今回はうりうが奇数ピッチ(1,3,5,7)をリード、榊原さんが偶数ピッチをリードをする「つるべ方式」で、ロープはアルパインと同じダブルロープで登ります。

アルパインの練習も兼ねているが、このルートはアルパインとフリーのマルチピッチの中間的な感じです。
10:30頃、うりうが、1ピッチ目(III級?)を登り始めます。

きちんと登りきれるでしょうか?
登りきれましたが、III級はちょっと渋い、実感はIV級。

ここで、ビレイをするがルートが曲がっているのでフォローは見えません。
横にはローソク岩。

これから、だんだん下に見ることとなります。
2ピッチ目(V級 or 5.8)は榊原さんのリード。カンテを登る。

しばらく、登ったり下りたりしていて、何をしていたのかな?



少し時間がかかり、「ビレイオフ(解除)」のコール。

うりうが登り始めるが、カラビナにぶら下がったカムを回収。
(何があったのでしょう?)



2ピッチ目終了点からの写真。人が見えているところは1ピッチ終了点。

現在うりうが登っているところです。
カムを回収してからむっちゃこわい。

ルートがホールドが無いフェースに変わり、どんどん左へ逃げないと危険を感じる。



ちなみに、ここからロープなしで落ちると最初の取り付きまで落ちます(30mぐらい?)。
結局、かなり左に逃げてなんとか終了点に到着。

ここも、ホールドが無いフェースでバリ怖



どういうことが起こったかというと・・・

三枚前の写真を見ていただくと、左のルンゼにはホールドがある。つまり一番よいルートは、カンテを登って、最後で下から見て右へシフトすると安全に登れる。

しかし、榊原さんは左へシフトしたため「ホールド無い地帯」に入り込み危険なクライミングを強いられた。「カラビナにぶら下がったカム」は途中があまりにも危険なため、カムをかませたが、それが外れてしまった状態(そもそも、ここにはカムが効く穴はない)。



ローソク岩です。

少しだけ上がりました。
休む間もなく、核心の3ピッチ目(V級 or 5.8)を登ります。

最初に緩いフェース。
そして、なんちゃってチムニー。
さて、リングボルトがあったのでここにロープを掛けるが・・・

この先ボルトがないじゃん。
(どうするのよ)



結局、左のクラックに一つハーケンを見つけて少し進む。



でも、ここ(写真)から先が怖くて進めない。

とりあえず「無理して進むか」と思った所で、一つ妙案。

右のクラックに小さな穴があいており、そこにスリングを通して支点としたら、心理的に安心して進めた。
ここでヌンチャクを掛け、動けず・・・

上の方にピカピカのハンガーボルトが二つ見えるが、届かない。

そして、手の届くところに残置ハーケンがある。



う〜ん、案として・・・
・「フリーで登る」にこだわり、右のフェースを登る
・ヌンチャクをつかみ、A0で登る
・ヌンチャクをつかんだ上、残置ハーケンにスリングを掛け、A0・A1で登る
がある。

「ヌンチャクをつかむ」は、どうであれフリーでなくなるので却下。でも「フリーで登る」はただの自己満足の世界である。

そりゃ〜「命>フリーで登る」でしょう。



ということで・・・

ヌンチャクをつかみ、目の前のハーケンにスリングを掛けアブミとし、
A0・A1で核心部を突破。




核心のコーナークラックを越えても、IV級程度の登りが続くが・・・

カラビナ・スリングが足りないかも・・・
(使いすぎた)

二ヶ所ぐらい支点を飛ばして終了点に到着。(ぎりぎりなくなりました)



A0・A1であったが、核心の3ピッチ目を突破できました。
(ここまで出来るようになったのは榊原さんのおかげです、感謝)



3ピッチを終了したのは13時頃なので、お弁当とします。
次のパーティーも登ってきました。

ここは「大テラス」なのでゆっくりできますし、これからのピッチは簡単なのでほっとしました。
(これが「油断」というのですが)
ローソク岩もだいぶ下に。
昼ごはん後、4ピッチ目(III級?)を榊原さんがリードします。
クリップは一ヶ所だけして終了点へ。

すごくあっさりと終りました。
クリップした所だけが「核心部」で、あとは岩稜歩き。

写真は「核心部」を越えたうりう。
4ピッチ目終了点からの両神山
(日本百名山)。

ちょっと霞がかっていますが、良好な景色です。
5ピッチ目
(IV〜IV+級)
はうりうがリード。

矢印のところで、危うくフォールしそうに。
(かなり油断した)
登っている途中で撮影。

どんな所でも慎重に登りましょう。
終了点に到着するが・・・

この岩、下に落とせそう。

アルパインは人を殺せそうな落石もあるので怖いね。
5ピッチ目終了点から下を見る。

3ピッチ終了点と4ピッチ終了点は広いテラスとなっています。
6ピッチ目(III+〜IV-級)を榊原さんがリード。

5ピッチ目よりは簡単ですが、ボルトがランナウト(間隔が広い)のでリードは怖いと思います。
うりうも6ピッチ目を登りきる。
6ピッチ目終了で、事実上「中央稜」は終了です。

いや〜、本当に充実したクライミングでした。



ちなみに・・・

榊原さんに「(写真の)岩稜の先まで行って」といわれたが、怖くて行けませんでした。
(クライミングと肝試しは違います)



6ピッチ終了点から見るローソク岩。

だいぶ下になりました。
7ピッチ目(II〜III-級)を一応「リード」します。

クリップはしませんでした。
(でも、念のため支点確保はした方がいいと思います)



14:30頃、7ピッチ目終了。

約4時間かかりました。(昼ごはん含む)



7ピッチ目の終了点のアンカー。

すごく頑丈そうです。
7ピッチ目終了点から見た二子山西岳山頂。

ここで雨が降り出したため、山頂へは行かず。
7ピッチ目終了点から見た両神山。
さて、下山しましょう。

ここの岩稜を歩きます。
「上級下山コース」

最初は「老人だと厳しいだろうね」と笑いながら話していたが・・・
ん?、かなり急になってきたぞ。

これ、本当に一般登山道?
これはIII級ぐらいあるぞ。(しかも下り)

ムーブを考えて下りなければ、フォールしそう。
途中に二子山東岳が一望。
ここも危険。

アイゼンでひっかいた跡があるので、アイゼン登攀の練習場も兼ねているか?
これって「ボルト」じゃないか?

一般登山道にボルトなんて普通では考えられないぞ。



もしかしたら、下山は3ピッチ目の核心部より核心部だったかもしれない。
(かなり怖かった・・・ロープもないし)



15:20頃登山口に戻る。

林道には駐車した車の列。
今回は本当に充実したクライミングができました。

5月以降は三ツ峠でアルパインの練習予定で、8月は穂高岳滝谷ドーム中央稜です。

この日の成果
「二子山中央稜を登りきった」でいいでしょう?

今回登山で学んだこと
・クライミングは最高

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